幕末異聞
「は〜ん。きっととんでもないクソガキやったろうに…。よく捨てられなかったな。
おミツさん、尊敬するわ」
「貴方だけには言われたくないですねぇ。
それより平助、預かり物とは何です?」
「そうや!うちの土産は?!」
沖田と楓はまるで子供のように早く早くと藤堂を急かす。
(似てんのはお前らじゃないか)
ふぅっとため息をつき両手に持ったものを二人に差し出した。
楓に差し出された手には赤の髪留めの組紐。
沖田に差し出された手には何やら薬草のような物が乗っていた。
「楓はいっつも髪ボサボサのままだから、たまにはビシッとまとめろってことで組紐な。
総司にはいつもの薬。
たまにはおミツさんに手紙でも書けよ?心配してたぞ」
「「……ありがとうございます」」