BLACK〓MIRROR赤【1巻】
足元に小さな丸い縁の鏡が落ちていた。
キラリと綺麗な光りが反射するその鏡に零は近づく。
鏡を手にとり、首を傾げた。全く覚えがない
ましてや男が鏡なんて持ち歩くはずもない。
「俺……こんなん持ってたっけ?」
――光を導く 鏡
穴の奥から聞き覚えのある声に零は、顔をあげた。
毎晩見る夢の女の子の声……
穴の奥に透き通った白く長い髪の女の子が、零に優しく微笑みかけている。
「き……君は!」
あの子は、あの夢の!
女の子の紫の瞳は、零を見つめている。
何故か見つめられると動こうとしても体が動かなかった。
――ほらね また会えた