BLACK〓MIRROR赤【1巻】
光の記憶
気がついた零は、真っ白の部屋にいた。
いつの間に移動したのだろうか
部屋には何もない――いや。
ここを部屋と呼んでいいのか。
部屋というより空間のようだった。
辺りには、誰もいない。
見渡してもただ白い白い空間が静かに広がっているだけ……
「おいっ! 誰か!」
「レィファー……」
突然後ろから女の子の呟く声がして零は、どこか聞き覚えのある声に後ろを振り返った。
「エィナ……?」
俺の見たあの夢と――同じ。
鏡のようなガラスが崩れた後はこうしてエィナが毎度現れていた。
「また――会えたね。」
毎度見る全く同じ夢と共通している今の状況に零の頭は混乱する。
だが寝た覚えなんてない。
だからと言ってここへ来るまでのことも覚えていない。
「これは……夢か?」
零は過る疑問をエィナに言ったがエィナは、ニコリと微笑む。
「違うよ。」
零はエィナの両肩を掴み、これまで自分に起きた不思議な出来事をエィナに次々と問いかけていく!
「あのリゼルって誰だよ!? 俺知らないんだ……。それにエィナ――君はいったい何者なんだ!?」
エィナは、その場で体育座りをし、一つ深呼吸をして話始めた
零は、下を俯くエィナを見て話に耳を傾ける。