BLACK〓MIRROR赤【1巻】
ザフィアス

―――――――


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「うわぁぁあ!」




あれ……?
俺……さっきまでエィナと部屋にいたはず。しかもここは、俺の部屋?




零――いや。レィファーは、ベッドから起き上がるが胸騒ぎがして仕方がない。

いつもなら大輝が遊びに誘ってくる時間だった。

大輝がいつもみたいに誘いに来てくれていると願いながら窓を開けた――が




「な、なんだよ……これ」




レィファーの目に映る光景、それは大輝の笑顔ではなかった。









青い光の差すいつもの空とは違ってどんよりとした薄い紫色の雲が真っ暗な空に浮かんでいた

その空は世界中に広がっている

空が――闇に。

レィファーは、さっきまで光の空間にいたことを思いだし、ブリアンスミラーに手をかけた。

だが首にかかっていたはずのブリアンスミラーがない。




「……!? ブリアンスミラーがない!」




レィファーは、部屋のあちこちを探した

部屋に散らかる服や本をどかしながら探すがどこにも見当たらなかった。




「ない。どうして……」




レィファーは、光の空間で話していたエィナの言葉を思い出す




『ザフィアスをよみがえらせるには、あたしとブリアンスミラーと……器が必要なの!』




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