BLACK〓MIRROR赤【1巻】
「無理なの……」
エィナはレィファーの目を反らし、下を俯いた
レイファーと視線をあわせずらいのかエィナは下を俯いたままだった。
「え?な、なんだよそれ?」
レィファーはエィナの『無理』という言葉に疑問を抱く。
自分の記憶を消したのはエィナのはず。
それならば記憶をよみがえらせることができるのもエィナだと思っていたからであろう。
「一回消した記憶は戻らない……でもきっと星石を一つ集めるごとに、レイファーのエルサレィアにいた頃の記憶は、よみがえる」
そんな……
俺は……
記憶が戻らない。自分は自分を知らないまま旅をすることになるレィファー
下を俯くレィファーにエィナは、頭を下げる。
自分のせいで記憶を無くしたレィファーにどうしてあげたらいいのかエィナもわからなかった
「ごめんなさい……レィファー」
レィファーは少し、悲しそうな顔をしたがすぐにまた顔をあげた
その顔にもう迷いはなかった。むしろこれからの旅を楽しみにしているかのようにも見える
レィファーの目的と決意はしっかりと固まった。
「わかった! その星石を全部集めて俺の記憶をもどしてザフィアスを倒す!」
エィナは下げた頭を上げ、レィファーを見上げた今にも泣きそうだったエィナの顔から笑みがこぼれる。
記憶がなくても逞しくふるまうレィファーに感心したのか――