BLACK〓MIRROR赤【1巻】
暗くジメジメとした秘密基地の中には、机やお菓子などがあった。
おそらく大輝が用意してくれていたのだろう。
「どうだ零!? すげぇだろ!?」
「でもなんか汚くないか?」
「うせやい!」
大輝は頬をふくらまし、零の頭を軽く叩いた。叩かれた零は頭をさする。
穴の中に入り、零は机の上に腰かけた。
外の光がないときっとここは、真っ暗な闇になるだろう。
外は眩しいくらいの光で溢れているのにこの洞窟は、薄暗い。
零はゆっくりと穴の中を見渡し、毎晩見るあの奇妙な夢を思い出した。
「なんかここ俺の見た怖い夢の場所に似てんな~……」
大輝は、お菓子の袋を開けた。
「怖い夢? なんじゃそら」