殺人修学旅行



あるはずないか。




今度は教壇に立ってクラス全体を見渡す。


一段高くされた教壇からの眺めは、まるで先生にでもなったかのような気持ちにさせた。





和田くんの机は相変わらずズレてる。




2つずつ並んだ机と机の隙間をある程度詰めると西川は満足げにうっすら笑った。





半開きになっている個々のロッカーも直す。


後方に置かれた植物に水をやる。


床に散らばっている体育館シューズの名前を見て、持ち主の机の下にちょこんと置く。


ジュースのこぼし後を軽く濡らした雑巾で拭く。




そんなことを繰り返して30分…



ようやく教室内がすっきりした気になって、窓際後方の自分の席へ座る。



黒い鞄から今日使う教材やルーズリーフを出すと、弁当だけが入った鞄を机のサイドに掛けた。




確か『代数・幾何学』のあの問題だけ予習してなかったな…




59ページを開くと、お目当ての問題が現れ、すぐさまルーズリーフを取り出し解き始める…
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