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相談
救世主は、Sだった。
というか、つかみどころのない人だった。
追えば逃げるし、逃げれば追う。
涼くんとの恋とはまた違う苦しみがあった。
「映画観たいのあるから付き合って」
誘ってくれたことが嬉しくて、おしゃれして会社へ向かう。
「今日、キャンセル~」
夕方にメールが来る。
会社の先輩は、反対した。
「あの人、絶対やめとき。自己中やん」
私だってわかってた。
振り回されていた。
でも、救世主だった。
涼くんを忘れさせてくれた人だった。