ボディーガードとの付き合い方ッ!
この学校の定刻は8時10分。過ぎると校庭三周のペナルティだ。
「英恵、珍しいな。寝不足か、本の読みすぎは良くないぞ」
一言多い担任だ…。
数人がくすくす笑う。
「まあ初回だから許す!家でよく寝ろよ~」
…よかった。さすがに元運動部という歴史のないあたしには過酷すぎるし…
「でも何も無しっていうのもなあ…。じゃあ今日の当番交代な」
「はあ…」
最悪だ。そういえば帰りどうしよう…翡翠さんのメアド知らないし…。
「華凛~?遅刻どんまい!次体育だよ??」
隣の席の子、真弥(まや)が言った。
彼女は髪は茶髪で横でまとめている。目鼻立ちがすっきりしていて特別派手じゃないけど、あたしとは遥かに対照的な外見だ。
「最悪…」
「てか髪ボサボサじゃん。縛るよ?」
真弥は本当に世話焼きな女の子だ。
「いいのに。でもありがと」
真弥はポニーテールに結んでくれた。
「今日ってさ、持久走のタイム計るんだよね…2キロの」
どっちにしろ走るんかい!
ほんとに今日はツイてない。