ボディーガードとの付き合い方ッ!
私は、彼女、ミシェルに恋愛感情を抱いていたのかもしれない。
だから、彼女の死はその頃の私に相当の衝撃を与えた。
"トラウマ"を乗り越えるのにかかった時間は、二年。
自分なりに死を受け止めていたはずなのに、毎夜、悪夢にうなされていた。
心を閉ざし、喋ることは格段に少なくなる。
そんなあるとき、珍しい来訪者が来た。
黒髪、黒い瞳、柔らかな物腰の男。
その男は貿易業に勤めている、日本人だった。
彼は、私に会うなり、突然こう言った。
『私の家専属のボディガードにならないか?…ただし、今すぐとは言わない。あと一年で私は大物になる…そしたら、君を雇う。いいかな?』
――訳がわからなかった。
でも、その時の私には断る理由も無かったので、イエスと答えたのだった。