路上勧誘者に聞かせる話

私の両親は宝石商でした。ええ、父も母も。

2人とも競うように、いくつものきらびやかなブローチやら指輪やらを毎日、身につけていました。

幼い私の目から見ても、大層な羽振りでしたよ。

でもね、死んじゃったんです。

宝石問屋に、真っ昼間から押し入ってきた強盗と鉢合わせて、二人とも。


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