カラー オブ ヘヴン


こんな商売をしているし、都合の良い女なのだろうと思う。

そうは思うけれど、あたしもトウジが環境整備を行っている為に、変な客が来ても身の危険に晒されることはないのだ。


お互いに都合が良い。


それが嫌じゃないあたしは、きっとどこかが抜け落ちてしまっている。

やっぱりあたしとシャオファは違うのだと、改めて思った。


「俺、明日は会の集まりで夜はここらにいねぇからよ。あんま変な客はとるなよ」

耳元で囁く低い声。
それはまるで恋人のような優しさを含んでいるが、それが擬似であることをあたしは知っている。

「ん……分かっ……」

首元を舌でなぞられ、吐息と共に出る言葉は、その先をトウジの指で塞がれた。
後ろから回されたもう片方の手が、温かく腹部を撫でる。


トウジの行為は、どれも優しい。


擬似であることが頭では分かっていても、身体はトウジの優しさに反応する。


心地良い、嘘。


仕事が始まるまでの時間、あたしは偽の優しさに身を委ねて、甘い音を奏でた。



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