カラー オブ ヘヴン


宋という目の上のたんこぶが消えた今、すぐにでも動き出したいという皆の想いは、体中で感じ取れる。

だが、大河は慎重だった。
その軽そうな風貌と雰囲気からは見て取れないが、常に最悪の事態を想定して物事を考えている。
今動いたとしても、きっと自分たちの声は小さな、蚊の鳴くほどの声にしかならないということが、大河には解っていた。

時期尚早で事を起こし、仲間達が無下に傷つくのは、避けたかった。

「そんな顔すんなよ、お前ら。大丈夫だ。今焦っても、きっと上手くはいかねぇ。だから、様子を見たいんだ。ここだ、今しかねぇっていう絶好のチャンスが、必ず来る」

力強い大河の言葉に、伏し目がちだった皆の視線が集まる。
大河の言葉には、何か不思議な力でも宿っているかのように、皆に希望を持たせてくれた。

「忘れるな」

凛とした表情で、大河は一人ひとりと視線を合わせる。

「俺達パラダイムシフトは、必ず世界を変える」


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