キラキラロード
何度も言うけど、紗希はホントに綺麗だ。だって、紗希と歩くたびに何人もこっちを振り返るから。
歩いていると、まっすぐな黒髪がなびいてすごく綺麗だし、細くて長い脚が動くだけで色気がある。隣を歩いてて恥ずかしいくらいだ。
自慢じゃないけど私の容姿は普通。髪の毛は赤茶に染めたけど、あんなにさらさらで長くない。・・・私はボブ。・・・え?なんで赤茶かって?
ちょっと事情があるんだ・・・。まあ、私が高校でする、「あること」に、赤茶の髪が合うかなーって。
こんな綺麗な人と並ぶんだったら、少しくらい化粧でもすればよかった・・・。無駄な足掻きだろうけど。
「ねえ、紗希っていつもこんなに見られてるの?」
「ん・・・まあね。居心地悪いわ。でも、皐月だってそうでしょう?」
「なにが?」
「さっきから何人も、皐月のこと見てるわよ。」
「嘘!?ないない」
「え?・・・ひょっとして自覚無い?」
「へ?」
「あちゃあ・・・天然かぁ・・・」
「???」
天然?誰が?
「・・・をもって、しっかりと勉学に励み・・・」
長い。校長、話長い。
中学の時の校長は、一人で20分も話す人だったから、話の長い人には耐性ついたつもりだったけど、この校長も結構なもんだ。
「(おしり・・・いたい・・・)」
「それでは新入生のみなさん、これからがんばってくださいね。」
終わったーーー!!!!!
「やっと終わったね皐月!」
「うん!校長話長すぎだよー!」
「え?あのくらい普通じゃない?」
「え!?紗希の中学の校長ってあれ以上だったの?」
「うん」
す、すごい・・・上には上がいた・・・。
「それより早く教室行こ!」
「う、うん・・・」