愛♥need you
五十嵐蓮と名乗る奴は、少し日に焼けた肌に少しセットされた栗色の短髪頭、目はクリっとした二重で八重歯のある口。
不覚にもあたしはその笑顔に見とれてしまったのだ。
はっ!やばい!つい見とれてしまった。顔は良くても性格は悪いかもしれないじゃん!!ってか絶対そうだよ!
と自分に言い聞かしてあたしもピースを作って「よろしく」とだけ言っておいた。
その後、朝会の終わりを示すチャイムが鳴った。
…このままでは死ぬ。
確実に呼吸困難で死んでしまう。
それは休み時間になったとたん、女子の目はあたしに向いた。
そして大半の女子があたしに近寄ってきてすごい勢いで質問してきた。
何でもいいから1人ずつしゃべってください!
なんせ何人もの女子が一気に押しかけてくるのだ。
「どこから来たの?」さっきゴリが言っただろう!
「好きな人いるの?」転校してきたばっかなのにいるわけないだろう!
「空ちゃんって可愛いね!」ありがとう!
という訳で死にそうだ。
とにかく誰かこの地獄から助けてくれ。
あーーーーっ!!
もうムリだ!
そう思った瞬間、予鈴が鳴った。
神様だ。神様がいらっしゃった。
みんながそれぞれの席につく途中、
「じゃあまた次の休み時間にね!」
とか言われてまた地獄に落ちた…。
はぁっとため息がでる。
今日家に帰れる体力が残っているのだろうか…。