チャーリーズエンゼルパイ



そう言うが早いか、シチローはてぃーだを置いて、既にかおりと二人で積み上げた机の上から通気ダクトへと登っていた。


その行動に見張りの二人でさえ、呆気にとられている。


「女が残って野郎が逃げるって、普通、逆じゃねぇのか……」


「じゃあ~ティダ♪
あとは任せたから♪」


満面の笑顔でそれだけ言い残すと、さっさと逃げ出すシチローとかおり。


「こら~っ!シチローッ!ホントにアタシだけ置いて行くのかっ!この裏切り者~~~っ!」


「なんか、下で怒ってるみたいですけど……」


「大丈夫、大丈夫♪
ティダの琉球空手は最強だから♪
さっ、行くよ♪」


実際に見た事も無いくせに、なんとも都合の良い理屈である。



< 101 / 144 >

この作品をシェア

pagetop