チャーリーズエンゼルパイ



「あっ、シチローだ♪
それにかおりちゃんもいるよ♪」


「ドジね~シチロー♪
ホントに見張りに追いかけられてるわ♪」


仲間がピンチだというのに、まるで他人事のように薄情な子豚とひろき。


それどころか、シチローの必死の形相を見て楽しんでいるようにも見える。


「シチロ~~♪
もっと速く走らないと、見張りの人に捕まっちゃうよ~♪」


「アンタ運動不足なんだから、たまにゃあ走ればいいのよ♪」


追われているのが自分達ではないので、好き勝手な事を言ってはしゃいでいた二人だったが、そのシチローにかけた言葉が徒になった。



「おいっ!そこにいる女二人も仲間らしいぞ!
誰か捕まえろ!」


「ヤバッ……」


シチロー達を追いかけていた十数人の信者達のうちの三人程が、群れから離れて子豚達の方へと向かう。


「ひろき!アンタが余計な事言うから、見張りがこっち来ちゃったじゃないのよっ!」


「え~~っ!コブちゃんだって何か言ってたよ~」


「とにかく、部屋の中に逃げるのよっ!」



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