チャーリーズエンゼルパイ



慌てて背を向け、もと居た部屋へと逃げ込む子豚とひろき。


しかし、思ったよりも早く見張りが近づいて来た為に、ドアを完全に閉める事が出来なかった。


閉めかけたドアのわずかな隙間に見張りの一人が靴の爪先をねじ込むと、あとの二人がドアに体当たりをしてきた!


その度に三十センチ程開くドアを、子豚とひろきも力を合わせ必死に押し返す。


「コブちゃん…あっち、男三人だよ!ズルくない?」


「このままじゃ分が悪いわ!ひろき、何か武器は無い?」


「武器?」


「アイツらが入って来たら、それで戦うのよ!
なんかその辺にあるでしょ!」


目の前のドアに視線を集中させながら、後ろのひろきに声だけで指示を送る子豚。


「え~と、武器、武器……」


ひろきは辺りを見回すと、傍にあった武器になりそうな物を背中越しに子豚へと手渡した。


「ハイ、これ!」


そして、それを手にした子豚がドアの向こう側の見張りに向かって怒声を上げる!


「アンタ達!入れるもんなら入ってみなさいっ!私がこの…………














…って、ハエタタキなんかで戦えるかあああ~~~~~っ!」


「だって、それしか無いよ……コブちゃん……」



< 108 / 144 >

この作品をシェア

pagetop