チャーリーズエンゼルパイ



いくら子豚でも、ハエタタキで見張りとは戦えない。


「こんなんで叩いたって、全然痛くなんか無いわよ!アンタ何考えて……」


「あっ!コブちゃん、ちゃんと押さえてないと!」


「あら……」



ひろきに説教する為に、後ろを見ながらハエタタキを振り回していた子豚は、一瞬ドアを押す手を離してしまったのだ。


その一瞬の隙を突かれ、ドアは見張り達によって押し開けられてしまった。


「ヒエェェ~~ッ!」



絶叫する子豚とひろきに相対する三人の見張り達は、不敵な笑みを浮かべながら指をポキポキと鳴らす。


「このアマ、手こずらせやがって……」


「キャア~~ッ!誰か助けてぇぇ~っ!」


「騒いだって誰も助けになんか来るもんか!」



ところが……




ボコッ!「がっ!」
ドスッ!「んごっ!」
ガンッ!「どはっ!」


鈍い音と共に、順番にドアの前へと崩れ落ちる三人の見張り達。そして、その後ろには心強い見慣れた顔があった。




「ティダ~~~♪」



「さっ、早く出て二人とも!シチロー達と合流するわよ!」



< 109 / 144 >

この作品をシェア

pagetop