チャーリーズエンゼルパイ



見張り達が殺虫剤の即席火炎放射器に怯んだ隙に、チャリパイの四人とかおりは今がチャンスとばかりに猛烈なダッシュをかけ、建物の出口を目指す。


てぃーだが両開き式の扉を押し開けて外に出ると、続いてシチロー、かおり、ひろき、そして最後に子豚が外に飛び出した。


全員が建物の外へ出ると同時にてぃーだが急いで扉を閉めると、そばに落ちていたスコップをその扉の取っ手の部分に突っ込む。


「これで少しは時間が稼げるわ!」


「よし、あと少しだ!みんな車まで走るぞ~~♪」


「おお~~~っ!」


シチローの掛け声に全員が応えると、次は外の見張りが二人ほど立っている門を目指す。


「おい!止まれ~~っ!止まらんかお前たち!」


慌てて五人の前に立ちはだかる見張りだが、調子に乗ったチャリパイの勢いはもう止まらない。


シチローの火炎放射攻撃から始まり、続いててぃーだの琉球空手に子豚のヒップアタック!


そして申し訳程度に、ひろきのハエタタキ攻撃。


その騒ぎに驚いて、敷地を囲む塀の上にとまっていた何百もの鴉が、一斉に飛び立っていった。



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