チャーリーズエンゼルパイ



「あのぅ……こんな感動的な場面に水を差すようで大変申し上げにくいんですが………………………………そろそろ、このロープほどいてもらえないでしょうか……」


両手を縛られ拍手さえも出来ないシチローが、本当に面目無いといった顔で、情けない声を上げた。


「あっ!そうだよ、ほどいてあげないと、お父さん!」


かおりに思い出したように言われ、朝唐と和子が慌てて四人のロープを解きにかかる。


「本当に、ごめんなさいね…皆さん」


「いえ……そんな、お気遣いなく……」


依頼者の和子に助けられるという、何とも格好の悪い様に、気まずい表情で答えるシチロー。


それでも、生け贄やソリンの人体実験だけは免れてひと安心のチャリパイであった。



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