チャーリーズエンゼルパイ



「まだ解決してないって……それはどういう事なの、シチロー?」


怪訝そうな表情で、ひろきがシチローに問い掛けた。


その問い掛けに、シチローはひろきでは無く、朝唐の方へと顔を向けながら、更に指を差してこう答えた。


「これまで、鴉信教が行ってきた罪の数々……これをうやむやにする訳にはいかない。
信者に対して“集団リンチ”を行ったという話も聞いているし、何よりも……あの第7サティアンに貯蔵されている毒ガス“ソリン”を、あなたは東京のどこかへバラ撒こうと計画していた筈だっ!」


厳しい顔をして、朝唐を問い詰めるシチロー。


「第7サティアンのソリンって何の事?」


首を傾げる子豚に、隣に居たてぃーだが、あの時建物の天井裏から見た光景を解説する。


「通常は液体だけど、空気に触れると広範囲に揮発し、人体を蝕む“毒ガスソリン”…それが、この敷地の第7サティアンに大量に貯蔵されているの……」


「何ですって!
そんなの撒かれたら、みんな死んじゃうじゃないの!」


「それって、テロって言うんでしょ?」


てぃーだから聞かされた衝撃の真実に、驚きを隠せない子豚とひろき。


「そうだ!未遂に終わったものの、もしこの計画が遂行されていたら、その被害は甚大なものになっていた筈だ!違いますか!朝唐…いや、朝田さん!」



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