チャーリーズエンゼルパイ
















「あぁ~~っ、美味い♪」





「は?……………」



「美味い……?」


朝唐のありえないリアクションに、目が点になるチャリパイの四人。


蛇口から落ちた液体を飲んだ朝唐は、もがくのでも苦しむのでも無く……何とも満足そうに、満面の笑みを浮かべて口を拭っていた。


「君達もいつぞや飲んだだろう?
“鴉天狗”という焼酎を!」


「焼酎………?」



あの、第7サティアンに貯蔵されていたのは、毒ガスソリンなんかでは無く、焼酎好きの朝唐が、永年かけて造り上げたオリジナルの焼酎“鴉天狗”であった。


「なんだよぅ……そうならそうと早く言って下さいよ……」


ヘナヘナと、その場にへたり込むシチローの姿を見て、朝唐が無邪気な子供のように屈託なく笑った。


「ハッハッハ~♪
ちょっとイタズラが過ぎたかな♪
君が言っていた“集団リンチ”というのも、きっと酔っ払った信者同士のたわいない喧嘩の事だと思うがね♪」


真相を聞いて、少なからずともシチローに脅されていたチャリパイの三人からは、怒涛のバッシングが飛ぶ。


「シチロー!アンタいい加減にしなさいよ!」


「デタラメばっかり言ってるんじゃないわよ!」


「いったい、そんな情報どこから仕入れたんだ!」


「だって…【週刊ポ〇ト】の特集に載ってたんだもん……」



「そんなモンで情報収集してんじゃね~よっ!」


それで、よく探偵がつとまるものである……



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