チャーリーズエンゼルパイ



あのチャリパイ最初の大仕事が無事解決してから、数日が経過していた。


新聞やTVでは、鴉信教の突然の解散が大きく報道されていた。


しかし、鴉信教時代から謎の多い教祖朝唐は、その個人情報、解散後の消息もマスコミに明らかにされる事は無かった。



そんなある日の事……



「シチロ~~!事務所に小包が届いてるわよ!」


その小包の差出人は、朝田和子であった。


小包には手紙が同封してあり、その内容はこうであった。



『森永探偵事務所の皆さん、先日は私達家族の事で大変御世話になり、ありがとうございました。

おかげ様で主人も新しい仕事が決まり、本人も大変張り切っています。

かおりも以前より明るくなり、家族の中では笑顔が絶えません…とは言っても、相変わらず些細な事でつまらない喧嘩をする事もあるんですけどね(笑)

ささやかですが、お礼の気持ちを込めて主人の造った鴉天狗を送らせていただきました。
皆さん、お酒は飲まれるのですよね?お口に合えば幸いと存じます。

本当に、ありがとうございました。』






「“飲まれる”なんて生易しいもんじゃ無いよ……“ザル”って言った方がいい……」


手紙を読んだシチローが、溜め息混じりに呟いた。


「やったね~コブちゃん♪タダ酒だよ♪」


「これで毎日、心置きなく宴会が出来るわ♪」


「つまみはシチロー持ちでね♪」


箱に入っていた焼酎の瓶を両手で高々と持ち上げ、子供のように無邪気に騒ぐ三人を横目に、肩をすぼめて溜め息をつくシチロー。


「あぁ…あの酒癖の悪い三人と毎日宴会なんて……先が思いやられるよ…………」




おしまい♪


< 143 / 144 >

この作品をシェア

pagetop