チャーリーズエンゼルパイ



どちらがキャメロン・ディアスの役割かで、言い争いを始める子豚とひろき。


その様子を横目で見ながら


「まあ、どっちがキャメロンでも構わないけど、これで名前の方は決まったんじゃないの、シチロー」


どちらかと言えば、あまり名前にこだわりを持たないてぃーだは、子豚とひろきの様子を見て、シチローに結論を促した。


「あたしは賛成~♪」


「私も♪」


てぃーだの提案に、子豚もひろきも賛成。このメンバーの名前が『チャーリーズ・エンジェルス』に決まりかけた、その時だった。



「却下!」


それまで沈黙を守っていたシチローが、不満そうに短く言い放った。


「ええ~っ!どうしてよ、シチロー!」


声を揃えて抗議する三人に、シチローはその理由を説明する。


「このメンバーの名前には、森永探偵事務所に関連した名前が相応しい……チャーリーズ・エンジェルスじゃあ、森永の“も”の字も入ってないじゃないか!」


シチローの言い分にも、確かに一理ある。


「じゃあ、何がいいのよ!シチロー!」


「森永エンジェルスとか……」


「ダサッ!」


「野球チームかっ!」


シチローが口にした名前に、遠慮なく突っ込みをいれる、子豚とひろき。


格好の良い、英語の名前を付けたい二人の希望と、あくまでも森永の名前を入れたいシチローとの溝は、簡単には埋まりそうになかった。



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