チャーリーズエンゼルパイ
雨の訪問者
その日は、朝から雨が降り続いていた。
てぃーだ、子豚、ひろきの三人がこの森永探偵事務所にやって来て、かれこれ二週間が経つ。
しかし、三人が期待していたような刺激的な依頼には未だに関われず、
三人は退屈この上ない生活を送っていた。
「……ったく、何が“スリルとサスペンスに富んだ仕事”よ!
そんな依頼、全然来ないじゃない!」
これまでに来た依頼といえば、お決まりの浮気調査に家出人の捜索、あるいは、最近息子の素行が悪くなっているが、悪い仲間と付き合っていやしまいか?
といった心配性な親からの調査依頼など……
およそ、スリルとサスペンスとは程遠い調査依頼ばかりだった。
「もしかして、アタシ達ってシチローに騙されたのかも……」
てぃーだ、子豚、ひろきの三人は、一斉に疑心暗鬼の顔をシチローの方に向ける。
シチローは、その視線を避けるようにして窓の外を眺めながら、三人の追及を誤魔化すように、必要以上に大きな声で言うのだった。
「いやあ~!それにしても、よく降る雨だなあ~!これじゃあ、もう依頼人も来そうにないし、今日は早終いしてみんなで飲みにでも繰り出そうかぁ~~♪」
「キャア~~♪ホント~シチロ~~♪」
少なくとも、これで子豚とひろきの機嫌は直るというものである。
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