チャーリーズエンゼルパイ
「か……かおりがっ!
娘のかおりが、連れさられてしまったんです!
どうか助けて下さい!」
訪問者の女性は、振り絞るような声でそれだけ叫ぶと、その場に泣き崩れてしまった。
「連れ去られたって……」
半開きになった玄関のドアの外から聴こえる強い雨の音が、訪問者の僅かに洩らす嗚咽をかき消していた。
「どうやら、君達が求めていたような依頼がやって来たみたいだよ……
御三方!」
そう言って、てぃーだ、子豚、ひろきの方へと振り返ったシチローの引き締まった顔は、普段の頼りないシチローでは無く、すっかり“探偵シチロー”の顔へと変わっていた……
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