チャーリーズエンゼルパイ
「Tシャツなんて、何年ぶりに着るかしら……」
てぃーだに借りたTシャツとスリムジーンズに着替えて、バスルームから戻って来た朝田和子は、髪型も整えられ先程とは見違えるような明るい雰囲気に変わっていた。
「和子さん、とっても似合ってますよ♪
娘さんがいるような歳にはとても見えません♪」
実際、和子は綺麗な女性であった。こういったラフなファッションの彼女は、実年齢よりも五歳は若く見える。
シチローの誉め言葉に、少し照れたように微笑む和子であったが、今はそんな呑気な事を言っている場合では無い。
シチローに促されソファーに座った和子は、すぐに真剣な表情へと戻り、事のいきさつを語り始めた。
「娘を……かおりを連れ去った人間が誰なのか、私にはおおよその見当がついているんです……」
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