チャーリーズエンゼルパイ



「見当がついていると……それは、何か心当たりがあるという事ですか?」


詳細の確認に当たったシチロー達に向かって、和子は、ぽつりぽつりと話し始めた。


「『鴉信教(からすしんきょう)』という宗教団体を御存知でしょうか……」


「鴉信教?」



その名前は、シチローだけでなく他の三人にも聞き覚えのある名称だった。


「鴉信教と言えば、最近新聞やTVのニュースを賑わせている、あのカルト教団の事ですか?」


「そうです……その鴉信教です」



鴉信教とは、シチローの言う通り、最近新聞やTVニュース等で話題になっている新興の宗教団体である。


『鴉』の名を象徴するように、黒い修行衣装を身に纏い、全国に点在する教団施設で、信者は寝食を共にして修行を行っている。


そして、その教えとは……


『近い将来、世界は思わぬ厄災にみまわれ人類は滅亡する。その時、この鴉信教で修行を積み、その資格を得られた者のみが救われ、新世界の創造に関わる事が出来る』


というものであった。



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