チャーリーズエンゼルパイ
「かおりさんは、その鴉信教に入信していたんですか?」
「ええ……入信したての頃は、施設での共同生活は任意らしかったみたいで、かおりも普通に家に帰って来たので私も気付かなかったのですが、最近になってかおりから鴉信教の施設に住み込む事を告白されたのです。
私は勿論、反対しました!そして説得のかいあって、かおりも教団からの脱会を決心してくれたんですが……」
「なるほど……そんないきさつがあって間もなくの、今回の誘拐事件。
これは、鴉信教の仕業と見て、ほぼ間違い無いでしょう」
「コワイね……鴉信教って……」
和子とシチローの話を聞いていたひろきが、ポツリと呟いた。
「何せ、奴らは世界が滅びると本気で信じきっているんだ。彼等にとって法律なんて無意味な物だろうからね……」
そんな教団に捕らわれの身となっている、かおりの安否が心配である。
和子は頭を抱え込み、テーブルの上に突っ伏して体を震わせていた。
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