チャーリーズエンゼルパイ



「じゃあ、映画でも観ようか~二人とも♪」


最後にそう言い出したのは、てぃーだだった。


実は彼女は本業で舞台役者をやっており、演劇、映画、DVDの鑑賞は彼女の日課のようなものである。



映画なら、この後のプランとしては無難な選択かと思われたが……


「え~~っ!また映画~~!」


子豚とひろきが、揃って口を尖らせて嘆いた。


「昨日も映画だったじゃん!ティダ~!」


「それにティダったら、映画の出演者の演技にいちいち“ダメ出し”するもんだから、落ち着いて観てらんないわよ!」


どうやら昨日も映画だったらしい。……それに


「だって、昨日観たあの刑事役のあの演技!あのシーンであれは無いでしょ!大根もいいとこ!」



子豚の言っていた、てぃーだの悪い癖も事実のようである。




「あ~~あ~、なんか面白い事無いかなぁ~~」


と、ひろきが欠伸(あくび)をしながらつまらなそうに呟けば


「こんな若い“いい女”が映画観る位しかする事が無いなんて!
私達の青春って、いったい何なのよ!」


子豚が拳を振り上げて、今のこの状況を嘆いた。



すると、その時だった……



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