チャーリーズエンゼルパイ
その後、シチローは和子の連絡先、持っていたケータイに入っていた娘のかおりの画像等、必要な情報をPCに取り込み、和子の依頼を正式に受け入れた。
「そろそろ、乾燥機に入れていた服も乾いたかもしれない。
和子さん、もし良かったら、車でご自宅まで送りますよ♪」
「いえ……そんなに遠くありませんから、歩いて帰れますわ。もしよろしかったら、ビニール傘を一本貸して頂けませんか?」
「それは構いませんが、しかし、結構降ってますよ?……雨……」
「大丈夫です。
どうか皆さんは、かおりを助け出す事に専念して下さい」
自分の事よりも、娘の救出に専念して欲しいというのは、母親の和子としては当然の心境なのかもしれない。
シチローも、そんな和子の気持ちを尊重して、和子に傘を手渡し、改めて鴉信教からのかおり救出を約束した。
「和子さん!かおりさんは、必ず助け出してみせますからね!どうか、ご安心して下さい♪」
和子は、そんなシチロー達に深々と一礼すると、雨の人通りの中に消えて行った。
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