チャーリーズエンゼルパイ



三人のエージェントに向けられたPCのモニターには、黒い衣装を着て演説をする、ある男の顔が大きく映し出されていた。


あまり手入れをしているようには見えない、生やしっぱなしの長い髪に顎髭。そして切れ長の鋭い目つきはとても異様に見える………



その横に立ち、シチローが真剣な顔で説明を始めるのだが


モニターを指すのに使っているのが、鶏鍋を食べる為の『割り箸』であるところが、なんとも間抜けに見えた。



「それではみんな、このPCの動画に注目して欲しい!ここに映っている長髪の男が、カルト教団『鴉信教』の教祖……
【朝唐 将宙(あさから しょうちゅう)】だ!」



「“朝から焼酎”ね……」


子豚が、既に残り少なくなった焼酎の瓶を揺すりながら呟いた。


「その焼酎じゃね~よっ!『朝唐 将宙』って名前だっ!」


「あたしは、ビールの方がいいな♪」


「だから!酒の名前じゃ無いっつってんだろ!」


最初っからこんな調子でる。


和子が帰った後で、本当に良かった。



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