チャーリーズエンゼルパイ
4人はそれぞれ、互いの様子が確認出来るように、百メートル位の距離を取りながら教団の信者の勧誘を待った。
シチローが言った通り、この辺りでは毎日のように、鴉信教の幹部信者達による勧誘活動が行われていた。
それは、この場所には占いの館や貸し金業者等が隣接し、恋愛や借金に悩む人間が多く訪れる事も理由のひとつなのかもしれない。
ただ、こちらから動くのでは無くて、あくまで勧誘を待つというのは何とも退屈な任務である。
4人が街中に立ち始めてから、かれこれ1時間が経過しようとしていたが、まだ誰も勧誘を受けられずにいた。
あまりの退屈さに、てぃーだが思わず欠伸をした。
「ふぁ……本当に鴉信教の信者なんて現れるのかしら?」
ところが、その瞬間。
背後に人の気配を感じたかと思ったら、ふと誰かがてぃーだの肩を叩いた。
(まさか!)
「ハーイ彼女~♪
俺と一緒にカラオケでも行かない♪」
振り返った先にいたのは、茶髪にピアスのニヤけたチャラ男だった。
「なんだ……ただのナンパか…………」
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