チャーリーズエンゼルパイ



(すごいイケメン!)



背の丈は180センチはあろうか。


清潔感のある短く整えられた髪型に、真っ白い歯を覗かせた爽やかな笑顔。


そんな、とびきりの好青年が突然、目の前に現れたものだから、子豚は心臓が止まりそうな程に驚いた。


(何、この展開って……
もしかして!)


何日か前に観たドラマにも、こんなシーンがあった。


超イケメンだが恋愛に奥手な主人公が、自分を変えなければいけないと、『今日の午後三時に最初に目にした女性に声を掛ける』
という自身の決まりを設け、それがキッカケで繰り広げられる内容の恋愛ドラマである。


「あの……何か♪」


そう答える子豚の瞳は、ハートの形をしていた。


「突然こんな風に声を掛けてしまって、申し訳ありません。実は僕、先程からずっと貴女の事を見ていたんです!」


「まあ!本当ですか?」


「本当です!初めて会った貴女にこんな事を伝えるのは大変恐縮なんですけど……貴女は、長年僕が探していた理想の女性そのものなんです!」


子豚の鼓動は、その音が周りにも聴こえるのではないかという位に、激しく高鳴った!



理想の女性……その言葉を、確かに目の前の超イケメンが口にしたのだ。



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