チャーリーズエンゼルパイ



「どうする?走って逃げる?」


「どうせ、変な奴に決まってるしね……」


厄介事は避けるに限ると、ひろきと子豚がそんな声を上げる中、てぃーだの意見は強気だった。


「いえ!それよりみんなで一斉に振り返って驚かせてやろうじゃない!
もし変な奴だったら、アタシが“琉球空手”で懲らしめてやるわ!」


てぃーだの出身は沖縄である。


琉球空手はてぃーだが子供の頃、地元沖縄で身に付けた護身術だ。


上京した今でも鍛錬は続けていて、その腕前は上級者と呼べる程に強くなっていた。


「そっか♪ティダって空手やってるんだもんね♪」


「よし、変な奴だったら三人でやっつけちゃおう~~♪」



退屈を持て余していた三人にとっては、こんな事でもいい暇つぶしになるというものだ。


意見のまとまったてぃーだ、子豚、ひろきの三人は、まるでいたずら小僧のように互いに顔を見合わせニヤリと笑うと、まだ正体を知らない背後の人間に向かって一斉に振り返り、大声を上げた!



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