チャーリーズエンゼルパイ



明日、鴉信教の教団施設入りする事になったシチローは、早速その成果を和子に電話で報告した。


「ええ、そういう事です。明日から我々四人で、鴉信教の教団施設に潜入する事になりました!」


すると、その報告を受けた朝田 和子から、少し困った提案を持ち出されてしまったのだ。


『その潜入捜査に、是非私も一緒に行かせてもらえないでしょうか!』


「えっ?」


和子の言葉を聴いたシチローは、困ったように眉をしかめる。


「いや……和子さん。
これは大変危険な任務です!御存知のように、鴉信教は、只の宗教団体とは訳が違うんですよ?
そんな危険な任務に、依頼者の和子さんを同行させる事は出来ません!」


シチローの言う事はもっともである。


しかし、それでも和子は引き下がらなかった。


『危険な事は、百も承知です!……それでも私は……かおりに少しでも早く会いたい!』


娘を想う母親の気持ちというのは、そんなものなのだろう……



何度説得を試みても「お願いします」の一点張りで考えを変えない和子の決意に、シチローは渋々、潜入捜査への和子の同行を認めるしか無かった。



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