チャーリーズエンゼルパイ
和子の同行を認めるにあたり、シチローは和子に幾つかの条件を提示した。
「まず一つ。和子さんがかおりちゃんの母親だという事は、決して教団に知られてはならない!
したがって、和子さんには変装をしてもらい、全くの別人として教団に入信してもらいます。
勿論、名前も偽名を使う事!」
『えっ?変装というと、眼鏡を掛けたり、カツラを被ったりすれば良いのかしら?』
「いえ、そんな生半可なものでは駄目です!
幸い、ウチのエージェントのティダは、映画撮影用の特殊メイクに精通していますので彼女に和子さんを別人に仕立てさせましょう」
これで条件の一つはクリア出来る。
しかし、問題はもうひとつの条件だった。
「もうひとつ!教団施設内で、もし和子さんがかおりちゃんと出会っても、和子さんは決してかおりちゃんと会話を交わさない事!
我々がかおりちゃんを救出するまで、声を掛ける事を禁止します!」
『そんな……』
シチローの、あまりに厳しいこの条件に、電話の向こうの和子は絶句してしまった。
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