チャーリーズエンゼルパイ



「ちょっとアンタ!
さっきから何、他人(ひと)の後くっついて来てんのよっ!!」


「うわっっ!」


三人の突然の“奇襲攻撃”に、後をつけていた相手の男は、驚いて後ろへと飛び退いたのだが


その拍子に足をもつらせたのか、道端にペタンと尻餅をついてしまった。


「イテテ……」


「誰なのよ……コイツ……」


想像していたのとはちょっと異なるその男の風貌に、子豚が拍子抜けしたように呟く。


その男は、アクセサリーをジャラジャラ鳴らしながら、所構わずナンパを仕掛けて来るようなチャラ夫には見えないし、いかがわしい仕事を斡旋してくる暴力団ヤンキーにも見えなかった。


赤いチェックのシャツにジーンズ姿で、道端に尻餅をつき、ずれ落ちたメガネを持ち上げながら、こっちに向かって愛想笑いを浮かべているその男には、あまりデンジャラスなオーラは感じられない。


「アンタ一体、何者なのよ?」


てぃーだの問い掛けに、男は愛想笑いを保ったままの顔で、頭を掻きながら言うのだった。



「いやあ~♪オイラの尾行に気付くなんて、君達なかなか見どころがあるよ♪」



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