チャーリーズエンゼルパイ
「遠いところをようこそ!さあ、中へどうぞ!」
たかが名刺でこの変わり様である。
この教団での朝唐の存在感というのは、相当なものらしい。
「それにしても、教祖様直々に入信のお誘いを受けるなんて、あなた達は本当に運がいい!
この道場で修行を積めば、きっと“新世界”へと行く事が出来ますよ!」
入口を通り抜けようとした五人の背中越しに聞こえた耳慣れない言葉に、シチローが思わず振り返り信者に尋ねる。
「新世界って何です?」
「この世界が滅亡した後に出来る、新しい世界の事です」
そう答える信者の表情は、とても冗談を言っている様には見えず真剣そのものだった。
「そうなんですか……」
頷いてまた前を向き直ったシチローは、誰にも聴こえない程の小さな声でこう呟くのだった。
「イカレてやがる……」
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