チャーリーズエンゼルパイ



朝の体操が終わると、食事の時間である。


信者は、鴉信教施設内の食堂に集まり、四角いプラスチックのトレイを持って並んで配膳係から食事の配給を順番に受ける。


言うなれば小学校の給食みたいな感じだ。


テーブルの席順などは特に決まっておらず、各自好きな席に座って良い事になっている。


「あ~あぁ、またキノコが入ってるわ……アタシ、これ苦手なのよね……」


運んで来た食事を見つめ、てぃーだが溜め息をついた。


今朝のメニューは、ハムエッグとサラダと味噌汁。それに種類のよくわからないキノコ……


この施設では、キノコの栽培でもしているのだろうかと思う位、何故かどんな食事にも付け合わせのようにキノコが添えられていた。


「だったらティダ~それ、あたしにちょうだい♪あたし、キノコ大好き♪」


横にいたひろきが、笑顔でてぃーだのキノコを自分の皿に移す。


そして、チャリパイの四人がいつも集まるテーブルに行くと、シチローが一人でてぃーだ達の到着を待っていた。


「あれ、シチロー?コブちゃんは来てないの?」


「あっちで交渉中……」


少し呆れた様子で、配膳係の方を指差すシチロー。その方向に目を向けると……



「なんでこんなチョットしか無いのよ!せめて、ハムエッグ2つにしなさいよっ!」


そこには、配膳係に『おかずの量が少ない』と猛抗議する子豚の姿があった。



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