チャーリーズエンゼルパイ
食堂の隅のテーブルで、食事を採りながら談笑するチャリパイの四人。
「しかし、修行生活も結構しんどいもんだな……」
味噌汁を啜りながら、シチローが疲れた表情で呟けば
「こんなので幸せになれる訳無いのにね」
そう言って子豚が先程の『幸せ体操』の鶴のポーズを真似て、両手で鶴の頭の部分を形取って見せる。
そんな子豚に賛同して、てぃーだは
「それにしても、ここの信者って、毎日こんな事してて誰も疑わないのかしら?」
「巧妙なマインドコントロールだよ」
「マインドコントロール?」
爪楊枝をくわえながら涼しい顔でてぃーだの疑問に答えるシチローに、てぃーだと子豚の視線が集中する。
「そう、毎日いたる所で繰り返し流される呪文のような言葉やDVDの映像。それに毎日の食事に仕込まれる、幻覚作用を誘発する薬物……それらが積もり積もって、彼らは巧妙に洗脳されている」
鴉信教が信者を施設に住まわせて修行をさせているのには、そういう理由があったのだ。
「ちょっと待ってよ!
食事に薬物ってどういう事よ!」
毎日、人一倍多くの食事をとっていた子豚にとっては、これは他人事では無い。
「あの、毎日出てくるキノコがヤバイとオイラは見ているんだけど……」
そう呟いて、ひろきの方へ目を移すシチロー。
それにつられる様に、てぃーだと子豚も神妙な顔でひろきの方を見つめた。
「わあ~~っ♪見て、見て~~!
みのもんたが空飛んでるよ~~♪」
「ひろき、アタシの分もキノコ食べてたから……」
天井を見上げて嬉しそうに騒ぐひろきの姿を見て、てぃーだが申し訳なさそうに呟いた。
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