チャーリーズエンゼルパイ



「……森永探偵事務所?……そんな風俗店、この辺にあったっけ?」


「風俗店だって……?」

チラシを眺めながら首を傾げてそう呟くひろきに向かって、男はチラシが破れそうな程、文字を指で叩きながら大声で喚き散らした。


「これのどこに風俗店って書いてあんだよ!
『森永探偵事務所』だ!た・ん・て・い・じ・む・しょ!」


男が怒るのも分からないではないが、誤解を招くこのチラシの文面にも問題はあると思うのだが……



「探偵事務所……?」



てぃーだ、子豚、ひろきの三人は互いに顔を合わせてから、男とチラシの両方をきょとんとした表情で交互に見比べた。


「そう!風俗じゃなくて、探偵!」


なんだか、おかしな展開になってきた。


ナンパや風俗のキャッチならば、悩む事なく即答でスルーするところだが、探偵のスカウトなんて三人にとっては全くの予想外の話である。



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