チャーリーズエンゼルパイ
救出



「シチロー!ちょっとこっち!」


「なんだよ……もう信者のヅラはいいって…」


「そうじゃ無くって!
かおりちゃんがいたわ!」


「なにっ!!」



およそ二時間以上も暗くて狭い通気ダクトの中で格闘した甲斐があったというものだ……数ある施設の部屋の中から、ついに二人はかおりのいる部屋を見つけ出した。


「かおりちゃん、大丈夫なのかな……」


何しろ、鴉信教を脱会しようとして信者達に拉致されてしまったかおりである……この施設に監禁されている間、酷い扱いを受けていたのではないかと、シチローは心配になっていた。


…のだが……



「うわ、なんだこの豪華な部屋は!」


かおりのいた部屋は他の信者の部屋とは違い、壁紙や絨毯に始まり、置かれている家具に至るまで、全てが豪華、ゴージャスであった。


「いいなぁ…大画面の薄型テレビにブルーレイまであるよ……」


「パソコンにゲームまであるわ!」


これでは、まるでVIPルームである。


「どういう事?」


驚いた表情で互いの顔を見合わせるシチローとてぃーだ。


監禁されているはずのかおりが何故このような扱いを受けているのか、シチローとてぃーだには皆目見当がつかなかった。



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