Double Persondlity
時計を見てもまだ9時前。



約束の時間まで大分あり
名田は暇を持て余している。



その時、自宅の電話が鳴った。



「はい。名田です」



「えっと…ネギラーメン、ミニ炒飯、餃子2人前。よろしく!」



鼻をつまんだ様な声の男からの
間違い電話。



「あの…ウチはラーメン屋じゃありません。よく番号を確かめて掛けて下さい」



怒り気味で電話を切ろうとした。



「ごめん、名田チャン。オレだよ風見」



「は?」



「いや、ラーメン食べたいなって思っただけで」



「…で何ですか?」



「何ですか…て別に…」



「………」



「沢木に電話したら寝てるのに、起こすなってすぐに切られたから名田チャンに」



「オレは大分前に起きてたけど…それに風見先生、ラーメン屋はこんな朝早くから開いてませんよ。まだ9時前だし」



「けどラーメン食いてぇ」



風見と話をしていると
名田の携帯電話が鳴り出す。



「あっ風見先生、スミマセン。もう切っていいですか?携帯鳴ってるもんで…それじゃ」
< 100 / 389 >

この作品をシェア

pagetop