Double Persondlity

「………」



出されたコーヒーを
一口飲み沈黙する。



そんな名田に
何か資料を見ながら
小林は声を掛けた。



「どうした？」



少しの間、何も答えなかったが
暗めな声でやっと喋り出す。



「あの後…オレ何か…」



「彼が出てきたよ。お前が二日間記憶が無い時の事を彼に聞いてみたが答えてくれなかった」



「その他に何か聞いた？」



「いや、すぐにここを出て行ったから」



「そう…よく分からないんだけどアイツここを出て行った後、彼女と会ったみたいで」



「彼女って？」



「オレが付き合ってる子」



「ああ…いるって言ってたよな。何かあったのかその子と」



「分からない。アイツが何かヒドイ事を言ったみたいで…今回は上手くごまかして謝ったけど…もしもまたアイツが出て来たら……ごまかせない」