Double Persondlity
「よぉ…こんなとこで何やってんだ?」



全然優しい表情をしないで
無表情な顔つきで
夜月は優奈に寄って来た。



「誰?貴方…?」



「俺の事言ってんの?ひどい子だな。恋人の顔も忘れたの?俺だよお前の大好きな名田裕也だよ」



夜月は優奈をじっと見つめて
顔に手をあてて言う。



「……違う…裕也じゃない」



「何でそう言えるんだよ」



「それは…」



「ここ場所が悪いな…どこか行くか。まぁお前ならいいか。俺んとこ来い」



いきなり優奈の腕を掴み
歩き始める。



「ちょっと痛いよ!放してよ」



しかし、完全無視の夜月は
駅前に着くと
今度はタクシーを拾い
優奈を連れて乗り込む。
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