Double Persondlity
その時だった。



「どこかに行くの?優ちゃん」



耳を疑ったが
どこか優しい声が
優奈には聞こえてきたのだ。



まさかと思って振り向くと
目の前には名田の姿が
はっきりと見える。



いつもと同じくラフなスタイルで優しい顔をした名田裕也がいた。



「裕也?裕也だよね?良かった…戻って来てくれたんだね。夜月なんて本当はいないよね?」



勢いで名田に抱きついた優奈を受け止めて一言「いないよ」と囁いてキスをした。
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