Double Persondlity
退院した三日後。



呼び出され名田は
小林の居る研究室へ行った。



「どうしたんだ急に呼んで?」



「まぁいいから座れよ。何か飲むか?烏龍茶とアイスコーヒーどっちがいい?」



「じゃアイスコーヒーで」



「今日お前を呼んだのは……」



「………?」



「あの事件は何の問題もなく解決したわけだが…簡単には終わらない。もう一人のお前は確かにいたんだ。ほらあの彼女…お前が目覚めた時にオレと一緒にいた杉原さん知ってるだろ」



「ああ」



「彼女はお前…つまり名田裕也の事は知らない。だがアイツの事は知っていた。どうやら彼女は夜月と何かの関係があったらしい。お前の知らない間にどこかで知り合っていたという感じだな。詳しくは分からないが彼女は…夜月の事が好きみたいだ」



「え…好きって…だって夜月は」



「そう…夜月はもう一人のお前で本当は存在しない人間だ。しかし彼女はその事を知らない」



「オレだって彼女の事は知らないあの日初めて会ったんだから」



「はぁ…だよな。けど彼女…いや普通は誰だって自分以外の人格が存在するなんて信じないし彼女を納得させる事は難しい。まさか夜月のフリして付き合うわけにはいかないし…お前はちゃんとした恋人がいるわけだしな。何とかしないと朱里ちゃんが傷付く」



「困った…困ったマジ困った。オレにはどうしていいか…アイツさえ出てくれば」



「名田、何言ってんだよ。アイツはお前なんだからな。その事分かってるのか。これはお前自身の問題で自分で解決しなければならない。夜月はもう出て来るか分からないし」
< 337 / 389 >

この作品をシェア

pagetop