Double Persondlity
それは八月二十二日の昼。



「あ…朱里?」



前とは雰囲気が変わってしまい
すぐには有寿とは判断出来なかったが声で気付く。



「有寿?」



「偶然だね」



でも朱里は何を話していいか
分からずに黙ってしまった。



すると有寿が突然、頭を下げて
謝ってきたのだ。



「朱里…ごめんなさい」



「え…何であたしに謝るの?」



「ごめんなさい。私酷い事した」



「………」



「名田くんの事あんな風にしちゃって…それに朱里にも……本当にごめんなさい。謝っても今更許してもらえるか分からないけど」



「あたしも有寿に悪い事したのに」



「私の方が悪かった。あれからずっと反省して…」



「いいよ。もう」



「けど……それに名田くんにも」



「もう……夜月くんは………彼は現れないよ」



「どうゆう事なの…?」



「あたし今まで何か見ていたのかもしれないなぁ…夜月くんは遠くへ行ってしまった。二度と会えないとこに…近くにいるはずなのに会う事は出来ない」
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